木組みの家をつくる(その1)
その昔、計画を進めていた家を、いわゆる伝統構法という木を組んだ構造でつくりたいと考えました。
しかし、そのような話を当時の知り合いの大工さんにしたら、「そんな古臭いことは今はやっていないよ」と簡単に言われてしまい、その時は「そうなのか・・・」と納得するしかありませんでした。
それでも、そんな「夢」をずっと持ち抱えていたら、木組みの家は決して「古臭くはない」ことが段々と分かってきました。そういう構法を大切に行っている職人さんと出会うことが出来たのです。
単純に、前述の知り合いの大工さんは、木組みということについて、理解が浅かったのだと理解出来ました。
実際の仕事として、いつも木を組んだ家の設計をしているという事ではなく、いわゆる変な言い方で違和感を持ちますが「在来工法」の家の設計もしています。
両者を比較すると、木を組んだ構造の家の仕事は、設計でも監理でもかなりの大変さがあります。
その大きな違いは、構造体(家の骨)を見せるか隠すかという点だと思います。隠す部分が多いと「逃げ」や「余裕」があり、「後で考えよう」とする事が色々な部分で出来ます。
しかし、構造体を見せる木組みの家の場合は、そういう「逃げ」や「余裕」が少なく、計画段階からかなり綿密に
計算しつつ設計を進めていく必要があり、それが「大変さ」となるのですが、その「大変さ」を通り抜けた時の「醍醐味」「達成感」は、本当に素晴らしいのです。
だから、「木組みの家」はやめられないのです!