木組みの家をつくる(その4)金物と木組み①(復刻版)
今回は「金物」について書いてみたいと思います。
建築にちょっと興味のある方は、
建設中の現場をのぞかれることもあると思います。
一般的な在来工法の現場では、
とにかくあちらこちらに「金物」が付けられていて
見た目にも「強そう!」と感じられるかもしれません。
特殊な接続金物を使用して、これは木造なの?
と思うような構造のものもあります。
木組みの家では、
構造的な金物は最小限の使用というのが基本となります。
「金物」を多く使うのと、ほとんど使用しないもの、
その違いは何なのでしょうか?
それは「建て方」という作業の時にはっきり見えてきます。
骨組みが次第に形になっていく段階で、
「金物」の補強を前提とした一般的な在来工法の建物は、
骨組みだけの状態の時は、
決してがっちりしているという感じはありません。
大げさに言えば、少し横から力を加えると、
骨組みが歪んでしまうような、ちょっと頼りない感じがあります。
しかし、「金物」を装着すると、
たくましい感じに変身するのです。
装着前は、骨である木と木はがっちりという感じではなく、
割合簡単に接合してあるのです。
だから、「金物」でもたせるということです。
一方、木組みの場合は、
「建て方」が進んでいくにつれ、
段々と骨組みがしっかりしていくという変化をします。
縦横の材料が複雑にからみ合って、
互いの動きを束縛する形をとり、自然と段々変形し難くなります。
このようなことから、
一般的な在来工法の建物は「金物」が必要なのです。
強くするために使うと言うより、
必要だから使うのです。
その点、木組みの場合は、
基本的には「金物」はなくても良いように、
木を組む方法や形を考えていくのです。
但し、木を組む接合と金物を使った接合の強度的な比較をすると、
「強さ」は金物を使った方に軍配が上がります。
だから、木組みの構造の場合は、
出来るだけ大きな力が一箇所に集中しな等、
構造的な検討が非常に大切になります。
※こちらの操作ミスで、アイテムを削除してしまいましたので「復刻」しました。