「健康」という言葉にも多くのウソが隠されています。

その一つが「健康食品」。
これさえ食べていれば「健康になれる」と信じ込ませてしまう。

大切なのは「健康」というものを
どう捉えるか、その本質に気付くこと。

「健康」とは簡単に言えば「バランスが取れている状態」の事。
人の身体は非常に良く出来ていて、
自動的にこの「バランスが取れている状態」を保とうとしてくれる。
そういう素晴らしい機能が備えられている。

しかし、外的要因、内的要因で、
この「バランス」を崩そうとする力が加わることがある。
外的要因では、バランスの悪い食事、暴飲暴食、不摂生等など。
内的要因では、ストレスや気持ちの問題など。
「病は気から」は、将にその事を示している。

そのようなバランスを崩そうとする力が加わっても、
「バランスを保とう」とする自らの機能が勝っている内は、
「健康」は何とか保たれている。
しかし、あるラインを超えると、遂に「バランス」が崩れ、
「不健康」に陥る。

ストレスが原因であれば、簡単ではないが、
それを少なく出来れば、「バランス」の改善は出来ていく。
暴飲暴食が主たる原因であれば、
それを慎めば、崩れた「バランス」は徐々に戻っていく。
そして、バランスの悪い食事が主たる原因であれば、
それを補う物を摂れば、「バランス」は戻っていく。
その補う物の一つが、世に言う「健康食品」である場合もある。

ところが、この「健康食品」で「健康」が回復すると、
「これさえ摂っていれば健康でいられる!」と思い込んでしまう。
将に「健康食品」という言葉に隠れた「罠」である。

「健康はバランス」という事から見ると、
確かにこの「健康食品」は
その人の「バランス」を戻すという「力」はあるのである。
しかし、その力が有るが故に、それを取り続けると、
逆にある時から、確実に「バランスを崩す力」に変わってしまう。
その「バランスの崩れ」を直すために、
別の「健康食品」が必要になる。
「健康食品」を声高々に謳う企業の大きな「罠」に嵌ることになる。

「健康」は積み重ねによって「強靭」にすることは出来ない、
単に「バランスが取れている状態」なのだから。
私たちがするべき事は、出来るだけこの「バランス」を崩さないように
「気を付ける」事だけである。

だから、「健康食品」など「ない」ということ。
あえて名付けるなら「健康回復補助食品」で、
「(注)健康回復が確認出来たら、即座にご使用を中止して下さい」
と大きく書かなければならない。
そういう意味では、あの悪名高き「タバコ」さえ、
この「健康回復補助品」となるのである。
(長寿者に愛煙家が少なくないことも頷けるはず)

私は家をつくるという仕事に関わっている。
そんな私が、何を言いたいのかといえば、
「健康住宅」なんて「ない」という事。
せいぜい「出来るだけ健康に負担をかけない住宅」。
「出来るだけ」という部分がミソ。
私たちに出来るのはその程度がせいぜい。
住宅に「健康」を謳う事なんて出来ない。

「健康住宅」に住めば「健康になれる」なんて
絶対に期待してはいけません!

「不健康住宅」なら結構溢れていますが、
そんな事を大っぴらに謳う業者はもちろんありませんので、
こちらの方が要注意。

そして、構造的失陥を有するような、
「生命」を脅かす住宅は、「健康」のために
絶対に避けなければなりません!!