(於:日本不動産ジャーナリスト会議研修会)
■姉歯事件について
 2005年当時は、財務金融委員会に所属していたが、10月に民主党本部に送りつけられた構造計算書をきっかけに、国土交通委員会で急きょ質問に立つことになったのが、4年前の11月のこと。それから姉歯問題に関わることになったわけで、自分でも天命と感じている。 

 姉歯問題をキッカケに、建築基準法の改正が行われ、建築士法や瑕疵担保責任履行法など建築関連法規の改正が行われたわけだが、あの時の問題の本質はなんだったかー。
 自分自身は国会内で語ってきたつもりだったが、メディアは全く取り上げてくれなかた。

 問題の本質は、建築確認検査制度という仕組みが破たんしていたにも関わらず、国交省が見過ごしてきた。不作為の中で放置したという責任があるのではないか?という点だ。
  確認検査という仕組みは、阪神淡路大震災をキッツカケに民間開放されたが、その当時の小川住宅局長(現・UR都市機構理事長)が国会で「建築確認検査は、事務的、機械的に淡々の照合をすればよい」と答弁している。

つまり、確認するだけというところに、問題の本質があった。いずれは姉歯のような間がでてくる。住宅の安全性が担保できないのに、放置していたという思いがあった。

 事件が発覚したあと、国交省では、第三者機関の設置などの対策を打ち出して、そのあまりにも早い対応に驚いた。これには伏線があり、05年春に国土総合技術研究所に設置された新社会システム研究所から報告書が出されていて、その中には耐震偽装のような問題が起きるであろうという記述がちりばめられていた。

  確認検査機関では、集団規定、個別規定では限界が来ているとの記述も散見されてた。つまり国交省では、すでに確認検査の開放、検査制度そのものが限界にきていることを理解していた。だから、矢継ぎ早に対応策が打ち出されたわけだ。

 そうしたなかで、案の定というか、姉歯問題を糊塗するかのように現場が混乱するような法改正が行われた。「民主党の馬渕の追及による官製不況だ」と散々言われた。そうした批判には甘んじるが、こうした形で法律が定められていくことに強い危惧を感じてた。

■建築基準法の改正問題について
 建築基準法の改正は喫緊の課題と考えている。混乱を招いたことを反省して、しっかりとそれぞれの立場の人の声を聞くことが大切と認識している。ただし、平成22年(2010年)の通常国会に向けて急いで法案を用意するのでは、再び机上で改正した改正と言われかねない。

 前原国土交通大臣からは、23年通常国会での改正をめざし、来年度は幅広い意見を聞くべく、運用改善で対応したい。すでに10月からヒアリングが始まった。特定行政庁、民間確認検査機関、構造計算適合性判定機関について要望の多いとこから、省令や告示の改正を準備している。

 建築基準法の改正では3つの目標を設定した。確認審査の「迅速化」、「簡素化」「厳罰化」である。

◆第二段では 3つの目標の詳細を掲載いたします!

◆今の民主党は聞く耳を持っているし、多くの意見を歓迎する用意もあるようなで、大いに皆様の意見で盛り上げて行きたいと思いますので、コメントをお待ちしていますので宜しくお願い致します。